講演会は以下のように実施された。あいにく地球惑星連合総会が開催されており(講演者もそのために来日した。)、また、英語での講演のためか出席者は10名に満たなかったが、質疑応答が40分をこすほど熱心に聴講された。その後、非公式ながら行われた懇談会は、講演会に間に合わなかった人を含め11人の盛況であった。講演者の好意で、発表用のスライドをHP上にアップできたので、参加できなかった方は是非ご覧いただきたい。
日時: | 平成27年5月23日(土)15:00~16:45 |
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場所: | 東京地学協会 地学会館2F講堂 |
講演者: | Dr. Murray Gray (University of London) スコットランド生まれ・育ちで、エディンバラ大学で氷河地形の研究で学位を取 得した。その後、ロンドン大学のQueen Mary Collegeで教鞭をとり、学部長を勤めた。1990 年代に研究対象をより応用的な地質保全に変更し、2004年に「ジオ多様性」を提唱した著 書“Geodiversity: Valuing and conserving abiotic nature”を出版した。現在イギリス国立 公園委員会委員でその企画委員会委員長を勤めている。 |
演題: | “Geodiversity and its role in geoconservation , geoparks and geotourism” 「ジオ多様性とそれがジオ保全・ジオパーク・ジオツーリズムに果たす役割」 |
要旨: | 私たちは幸いにも長きにわたって開発された物質的にきわめて多様な惑星上に棲んでくることができた。「ジオ多様性」とは、「地質(岩石・鉱物・化石)、地理(地形やその形成過程)、土壌や水文学的様態などの多様性(自然界におけるひろがり)として定義される。また、それらの集合・構造・システムや景色への貢献を含む。自然は、生物・非生物要素双方から成り立ち、ジオ多様性は生物多様性とある意味で等価であるジオ多様性が国内外でのジオ保全やジオパーク活動を推進する上で重要であり、ジオツーリズムや多くのアウトドアレジャー活動の基本であることを論じた。 |
発表スライド: | |
出席者数: | 5名 |